
いつの頃からか、螺旋というものへの興味が絶えない。最初は形状の面白さだけだったが、上から見ると円だが横から見ると波であること、またDNAや生命の象徴であることに魅力を感じていた。動きのあるパターン模様の研究やループするアニメーションの研究の延長として、現在、螺旋を研究対象に挙げている。
螺旋(helix)と螺線(spiral)は本来別物で、前者はつる巻き、後者は渦巻きなのだそうだ。僕の興味は断然前者。繰り返される歴史なんてものも螺旋を象徴とするが、その場合僕は形状に加えて方向もセットにすべきだと思う。と言うのも、この世には絶対に遡ることのできない「時間の矢」があるからだ。
時間は戻せない。堂々巡りを繰り返した挙句、朽ち果てる。作家として、どうせなら常に前進したいしそういう作品をつくりたい、と思う。